ハンガリー世界フェルト大会 (2004年8月)

2004年ハンガリー世界フェルト大会に参加

2004年ハンガリー世界フェルト大会日程

8月12日 関西空港から関西参加組みが、成田空港より関東参加者組みがソウルで合流し、総勢11人がチェコ経由でハンガリーのブダペスト空港に夜9時過ぎに到着。
着後直ちにラキテレクにミニバスで向かう。
13日~
17日
ラキテレクにてワークショップ他多彩なプログラムに参加。世界24カ国から集まったフェルト愛好家180人と交流。
18日~
20日
ブタペストで観光、美術館巡り、買い物を楽しむ。
21日~
23日
チェコのプラハに立ち寄り観光。
24日 帰国

ここ数年、フェルトをテーマにツアーを企画しモンゴル、フィンランドなどを訪れています。今年の夏、世界フェルト大会がハンガリーで開かれると聞き、お客様を募り総勢11人でこの大会に参加しました。参加者はフェルト作家、帽子作家、趣味でフェルトをしている人等など。
年齢も20歳代から70歳までと様々です。

シンポジゥムとワークショップ 8月12日~18日
テーマは「フェルトによる伝統工芸と現代工芸」メインテーマは「ユルト」(キルギスタンの遊牧民の移動式住居、いわゆるパオ)
ブダペストからバスで南東に走ること2時間の地、ラキテレクで開催されました。会場は成人研修センターで、ホテル、レストラン、ホール、研修棟をはじめプール、乗馬場、テニスコートなどまで整っており広い敷地の中にあります。

四日間で創るユルトコースをはじめ二日間コースの23種のワークショップが開かれました。講師はキルギスタン、トルコ、ハンガリー、イギリス、ドイツ、カナダ、日本、フィンランド、ノルウェーから招かれ参加者は24カ国180人ほどが集まりした。
我々は二日間コースのアート帽子、布フェルトの衣服、遊具、刺繍フェルト、インディゴ絞り、カーペット、フェルトタブー、アクセサリーのコースをとり、教室に各々別れて参加。講習は英語で行われるということに不安があった人もそこはフェルトという世界共通の言葉がある。各国の参加者ともすぐに溶け込み和やかな雰囲気の中、夢中で作品つくりをしていました。広場では男性の参加者を中心にユルトが骨組みの木を曲げる作業から始まり着々と建てられていく。

ワークショップの合間には盛沢山のプログラムがある。昼休み、夜にはハンガリー民謡、ジャズの演奏やハンガリアンダンス、人形劇、ファッションショー、フォーラム、ハンガリー語講座まで開催される。すべてのプログラムに参加するのは大変ですが、皆元気に参加し余裕でプールで泳ぐなどしていてそのタフさには驚かされました。
また、ワークショップお休みの日には全員でバスに乗り込みケチケメットの「おもちゃ博物館」で開かれている展覧会の見学に行きました。世界各国から選ばれたフェルトの人形、玩具が展示され子供のワークショップも行われて楽しい雰囲気がいっぱいです。ラキテレク最後の夜はキャンプファイヤーを囲んで皆で輪になって踊り、ブタペストでの再開を約束して別れを惜しみました。

あるワークショップのクラス
私はワークショップには参加せずいろんなクラスを廻って皆の様子をみて廻っていたのですがカナダ人の講師、ジョアンナ・サークル「フェルト・タブー」のクラスは他のクラスとかなり様子が違っておりました。机の上には骨、針金、馬の毛、パステルなどが置かれ原毛がなければ何のワークかわからない程。
参加者は瞑想をしばらくし、おもむろにフェルトのベースをしわしわ状態になるよう作り、隣の人に回し、つぎに骨などいろんな材料をつけたりこすったりし次々回していきます。最後に自分が最初に手がけた作品を手に感想を述べていきます。限りなく未完成。作品を通し宇宙から自分の内面を見つめるこの授業は静かに静かに進行して、見学させてもらった私も自然気持ちが落ち着いていくのが感じられました。
フェルトのワークショップといえば帽子、ストール、ラグなど完成させるものしか知らなかった私にはイマジネーションを大切にするこの授業にとても新鮮な感動を覚えました。先生は常に瞑想をし、イマジネーションを膨らませているとのこと。そして、俳句、禅など無を求める日本の文化に大変興味をもっていると話してくれました。

フェルトによる伝統工芸と現代工芸の展覧会 8月19日~22日
会場はブダペストに移る。ブダペスト工芸美術館では「フェルト衣服とアクセサリー」の展覧会。テーマは「冬暖かく、夏涼しく」。ナショナルギャラリーでは「フェルトカーペットとタペストリーそしてオブジェ」の展覧会。テーマは「伝統と現代」。いずれも世界各国から選ばれた作品が展示されツアー参加者の作品もあり熱心に見学しました。
8月20日はハンガリーの建国記念日に当たりフェルト大会もこのお祭りに参加してます。

ラキテレクでの講師陣の店や伝統工芸を売っている店が沢山出ていました。ハンガリー各地の民族服を着た人達のパレードがあったり、ハンガリー空軍の空中ショーが行われてお祭りを盛り上げる。夜にはドナウ川沿いで花火大会があり祭りは最高潮に達しました。

ツアーを終えて
いろんな国から集まった人々を一つの大きな輪にしていくフェルト。今更ながらフェルトパワーに感動しました。参加者の女性パワーにもまた感動。車椅子の娘を連れスコットランドから参加した60歳代後半の女性。
南アフリカから一人参加した70歳台の女性等など。まだまだ私もがんばれると勇気づけられました。
日本の女性もどんどん世界に出かけよう!とエールを送ります。

ギャラリーストラッセ 飯島路子


2004年ハンガリー 写真

会場の一つとなった広場

ユルトの骨組みとなる木を熱で曲げる作業

ユルトの骨組みを組み立てる

糸によりをかけ束ねる作業

カード織りでユルトの為の帯状の飾り帯を作る

簡易織機でユルトのための帯状の飾り帯を作る

完成

食堂

ベジタリアン用の食事も用意されている。
塩分、油分がやや多いが野菜たっぷりで美味しい。ハンガリー料理など毎日工夫されたメニューが出てくる。


ワークショップ

フェルト・タブー 」のクラス

「 芸術的帽子 」のクラス。
まずは各自のゲージの計算から入る。皆頭をかかえ電卓をたたいている。まるで数学の授業の様。

「 アクセサリー 」のクラス

皆が受講中、失礼して乗馬を楽しむ。

多彩なプルグラムの一つ、ハンガリアンダンス

子供のクラス。おもちゃ、マットの作成

夜遅くまで開催されたファションショー

キルギスの伝統的なマット作り

「 遊具 」のクラス。大きなボールに原毛を巻きつけお湯と石鹸でこする

原毛を巻きつけたボールを転がしフェルト化させる。

完成した帽子をかぶりパレード

左から
ファルトフェスティバルの主催者
イシュトバン・ビダック、
アンナ・ビダック、
マリ・ナジ
キリギスタンのメイン講師の ケンジスカンとトクソムバヤーバ

ユルトの中でハンガリー民謡の演奏会

キャンプファイヤーを囲み輪になって夜遅くまでダンスをする。

ケチケメットおもちゃ博物館でのフェルトのおもちゃ、マットの展示を見学する。

同じく。日本からは石田百合さんの作品が展示されていた

ブダの丘の漁夫の砦。

フェルト・タブーのJoanne Circle 先生の作品

ナショナルギャラリーの展示風景。

ナショナルギャラリーの展示。ツアー参加者の田中美沙子さんの作品。

王宮広場の出店風景。

ドナウ川ナイトクルーズ

工芸美術館での展示風景。

ハンガリーから日本に帰国途中、チェコに2泊3日の旅をする。プラハ城

丘から見るプラハの街。尖塔の町と言われるだけあって塔が多い。